COLUMN
“患者さんの満足度を高める空間”とは・・・・整形外科の場合
“患者さんの満足度を高める空間”とは・・・・
都市部でのクリニックの増加、インターネット・スマートフォンの普及から
“患者さんがクリニックを選ぶ時代”となっているのは周知の事かと思います。
では“選ばれるクリニック”として、 “患者さんの満足度を高める空間”をつくるにはどうすれば良いのでしょう?
今回は“整形外科”の居心地のよい待合室とは・・・をピックアップしてお話をしていきます。
“整形外科”では待合室のレイアウトが大変重要になってきます。
では、他の診療科目と違う点とはどういったものでしょう。
“整形外科”での患者さんの動線をまずは説明していきましょう。
まず患者さんは受付に立ち寄ります。その後、診察に行く患者さんと直接リハビリ室やレントゲン撮影に行く患者さんがいらっしゃいます。
待合室から複数の動線が発生しますので患者さんの負担がかからない動線の確保のため、
待合室のレイアウトが重要となってきます。
整形外科の場合は患者さんの数が多くなりがちで、受付での対応の仕方により作業効率を高めることが可能です。
患者さんの数が多い為、複数のスタッフで対応ができるよう受付カウンターは余裕があれば大きめに設計し、患者さんのお待ち頂くスペースも診察室、リハビリ室、それ以外のゾーンに行く患者さんを分けると受付前の混雑が緩和されます。
また“整形外科”では車いすの患者さんも来院されますのでバリアフリー対応については当然必須となりますが待合室についても様々な工夫が必要となってきます。
たとえば待合室に設置する“椅子の仕様”が重要です。
一般的なクリニックの椅子は床から座面まで38cm位が標準ですが、45cm前後にすることで膝の痛みを持つ患者さんでも座りやすい高さとなります。
また痛みで全く座れない患者さんでも腰掛ベンチを設置すればより楽な姿勢で待つことができます。
車いすや松葉つえで来院される患者さんも多いことから、各通路やトイレなども幅に余裕を持たせておくことも必要でしょう。
通路に手すりを設置する場合の注意点ですが、手すりを付けても通路幅に余裕があるかを確認しておきましょう。またバランスを崩して壁にぶつかったりする患者さんも多く、手すりの位置として壁部分の腰より下の部分については強度のあるものや張替がきく素材を選ぶことで後々のメンテナンスや補修が格段にしやすくなります。
“整形外科”の場合はほとんどの患者さんが痛みやしびれなどを伴う症状で来院してきます。
いかに患者さんに負担をかけないでお待ちいただけ、“患者さんの満足度を高める空間”を重点に考えた設計が必須です。
ちょっとした小さな心使いが“選ばれるクリニック”としてのポイントとなります。
・受付や会計の時に足腰が悪く杖をお持ちの患者さんの心使いとして、杖をかけられるホルダーを受付カウンターに設置する。
・車いすの患者さんがきてもそのまま受付できるようにカウンターの形状を変え、ローカウンターを設置。
など、ちょっとした工夫で患者さんに居心地の良い“患者さんの満足度を高める空間”となってくるでしょう。