COLUMN
クリニック設計 ~ コストダウンを図る~ 既製品の活用
クリニック設計 ~ コストダウンを図る~
既製品の活用
コストダウンを図る上で“既製品”と“製作物”を比べると、金額が大きく違ってきます。
“既製品”というのはメーカーなどで規定の寸法で製作されているもので、“製作物”とはいわゆるオーダーメイドであり、好きな寸法を指定して製作するものです。
“既製品”“製作物”としてクリニックで多くつかわれるものと言えば下記のものがあげられるでしょう。
・建具(ドア・ドア枠)
・診察デスク
・カルテ棚
・書庫・収納
・待合ソファー
・流し台・吊戸棚
建具に関しては、病院ではなくクリニックということもあり、木製の既製品を導入するとよいでしょう。
引戸や開き戸ともに“既製品”であれば1ヶ所あたり5~7万円くらいで設置ができます。
これが“製作物”になると材質や取っ手のグレードにもよりますが1ヶ所あたり12万円ほどかかるでしょう。
通常のクリニックであれば10ヶ所以上はドアをつける必要があるので金額面で大きな差が出てきます。
診察デスクについては特にこだわりがなければ事務機器メーカーの“既製品”を選ぶのが一般的です。
これをホームセンターなどで販売しているデスクにすると驚くほど金額が違うので、なるべくコストを抑えたいということであれば良いでしょう。
書庫や収納についてもカタログ通販などで選んでみるとコストダウンにつながります。
しかし規格寸法が決まっているので、どうしても狭い場所やデッドスペースになりそうな部分に関してはオーダーメイドも仕方がないでしょう。
流し台についてはよほどのことがない限り“既製品”をお勧めいたします。
特にシンクの深さが標準で問題なければ“既製品”で十分でしょう。
最後になりますが、待合室のソファーは“既製品”だと事務機器メーカーの3人掛け程度のものをいくつか並べるケースが多いです。
これに対して“製作物”であるとサイズ、とくに高さなども自由に設定ができるのでターゲットとしている患者さんによっては“製作物”のほうがよい場合も多いです。
また“製作物”ですとカラーバリエーションも豊富なので、クリニックの雰囲気に合わせ
たチョイスも可能です。
ソファーの設置は施工の最後になるので、それまでに“既製品”と“製作物”の金額を比較して決めるのもよいでしょう。
最近では“既製品”でもカラーバリエーションが増えてきており、比較的選択肢が広がっています。
好みの色を“既製品”の中から選択し、更に壁紙などで彩りを添えてやれば、シックな雰囲気からポップな雰囲気まで対応も可能です。